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出張記

子どもは見えるが自分は見えない親

香港に来る飛行機での出来事。

私の前の席に小さな子どもを連れた若い夫婦が乗ってきました。

二人ともその子には満面の笑顔であやして・・・とそこまでよかったのです。

父親がカバンを座席の上の収納スペースに乱暴に放り込み始め、母親は携帯電話を取り出したのです。

CAが慌てて注意すると、小さな声で毒づきながら、タラップならいいんでしょと言わんばかりに電話をするために走って降りていったのです。

昔から心に残る話があると記録して保存していました。

その中に似た話があったのを思い出しました。

何に載っていたか忘れましたが下記に掲載します。

親って子どもの事はしっかり見えるが自分は見えないのですね。

人のふりみて我がふり直せ、 常に忘れないようにしようと思います。

過日、東芝日曜劇場というテレビ番組の作家の橋田寿賀子先生の講演がありました。

著名な作家の講演ということで、多くの女性が詰めかけました。

満員の会場での講演は、聴衆の期待に応えるべく「一語一涙」するほどの感動的なものだったそうです。

しかし傾聴する会場に二歳位の子供がいて講演中に泣いたり喚いたり悪戯したりで、

折角の話も聞きにくくなり、聴衆は少々腹のたつのを覚えるほどでした。

富永さんは、誰の子かと思い、あたりに目をやると、その母親は、頭の良さそうな美人で、年の頃は三十二、
三歳位だったでしょうか 服装からしても中流階級以上の奧様というところでした。

が、

勉強熱心というか、自分の子が騒いでいるのを一向気にかける様子もなく時々あやしたり

するものの、 せっせとメモを取っていました。

 

講演が終り、質問の時間となりました。

その母親が待ってましたとばかりに、一番先に手を上げて立ち上がりメモを片手に理路整然と何項目かについて質問しました。

質問が終ると、それまでじっと耳を傾けていた橋田先生は、その母親を座らせてから次のようにおっしゃった。

『貴女の質問は良い質問です。りっぱなものです。しかし、それに答える前に、言っておきたいことがあります。それは(と一呼吸おいて)、あなたのような方は、このような講演会場に来るべきではありません』と。

橋田先生は、いささか語気を強めて言われたので、女性の多かった聴衆は、一瞬シィーンと静まりかえりました。

しかし、どうしてでしょうか。

橋田先生は、また一呼吸ほどの間をおいて、今度は子供をさとすように再び話を続けられました。

と、言いますのは、あなたのお子さんのことです。

あなたのお子さんは、失札ながら、先ほどから騒いで講演の邪魔をし、 まわりの方々の迷惑になっていたことが、 あなたはおわかりにならなかったのでしょうか。

人間は、一生が勉強です。一所懸命にものを学ぼうとするあなたの姿勢は、確かに、すばらしいことです。

しかしです。どんなに知識があろうと、教養があろうと、人の『道』にっながっていなければ、何にもならないことを知っていただきたいのです。

一人の満足、みんなの迷惑です。

お子さんの面倒も満足にみられないのに、 教養もなにもないでしょう。

どんなに財産を持っていても、それを活用する方法を知らなければ、人のものを預かっていることになるだけで、何もならないのと同じことです。

女の、本当の幸福は、白分の子供と共にある時ではないでしょうか。

それは、どんなものにも代えがたいものなのです。

そして、そこにこそ、『女の道』というものがあるのではないでしょうか。

子供が親の手から離れるまでは、母親の愛情は子供に絶対必要なものなのです。

そして その時

『先生!』

 

話をさえぎるように、再び母親が手を上げて、質問をしました。

『私には、子供が三人も居ります。その子らが手を離れるまでには、十五、六年もかかることになります。先生のおっしゃるところに従えば、それまでは、このような講演を聞きにきたり、勉強をしなくともよいということになるのですか?

これに対し、橋田先生は、

『はい、 しなくとも良いのです』

ときっぱり断言なさいました。

『いいですか。家庭では、父親よりも母親が必要なのです。あなたの胸を御覧なさい。神様が与えて下さった、
豊かなお乳があるのではありませんか。

赤ちゃんがお乳を飲むとき、その肌の柔かさを通じて母親というものを知るのです。

それが、ひいては、 子供の情操教育につながることではありませんか』

母親なればこそ、自分のなりふり構わず、子供と共に遊び、おしめの世話も汚いと思わずに出来るのでしょう。そんな母親の姿は、神様にも似て、神々しい姿ではないでしょうか。 ・・・